「次の薬はないから、この薬でしばらくねばるしかないね」と主治医は言う。
「ではイクスタンジが効かなくなったと判断されるのは、PSAの数値がいくらくらいまで上昇したらでしょうか」と問うと、「500を超えたらでしょうね」とのこと。
「以前に抗がん剤治療は受けないと聞いていますが、目前に迫ってきて改めて聞きますが、抗がん剤はどうされますか?」と主治医。
「抗がん剤の薬はドセタキセルです。前立腺癌の抗癌剤は副作用がきつい薬で、私の経験では、5人に一人は効果が出て元気になる、5人に二人は副作用に苦しみ、残りの二人は効果がない、抗がん剤治療を始めて1週間で亡くなった人もいた」とも。
「もし5人に一人の効果が出て元気になったとして、そのあとはどうなりますか?」と問うと、「癌細胞をすべて殺せるわけではないから抗がん剤治療は続けなければいけないし、やがて効かなくなる」とのこと。
「抗がん剤はこれまでの飲み薬と違い、副作用との戦いです」と、これまで何度も聞いている。「1週間くらい食事ものどを通らない人もいるし、髪の毛は抜けます」とも。
実は、60歳前頃から抜け毛が目立つようになり頭頂部がだんだん薄くなっていた。風呂上がりで洗髪した頭に櫛を通すと隙間だらけで地肌が鏡に映っている。我が家の家系は抜けずに白髪になるはずなのだ。兄もそうだし父もそうだった。髪の毛はふさふさと多いほうだった。それだけに薄くなっていくのが許せなかった。
| ところが、前立腺癌でホルモン治療を受けたことで、髪の毛が戻ったのである。”髪の毛が生えてきた!”と気が付いたときは嬉しかった。 頭髪が抜けるのは男性ホルモンの作用なので、女性ホルモン治療から頭髪は生え、髭はうすくなるのはよくあることだという。 |
今現在、足腰に問題はないし体調もいい。ただ疲れやすいのは、癌細胞が栄養を横取りしてしまっているからのようだ。イクスタンジの副作用かと思っていたが、PSAが高止まりしているのも原因だと思う。
このままで過ごせれば有り難いから、抗がん剤治療はしませんと断った。もっと切羽詰まってきたら変わるかもしれないが。


