2016年2月27日土曜日

緩和ケア病床の見学

緩和ケア病床のある二つの病院に予約を入れ、妻と二人で見学してきた。驚いたのは、どちらも何て綺麗で明るく静かで清潔なフロアなんだろうということ。

これまで私は入院の経験はないが、お見舞いは多くある。たいがいカーテンで仕切られた数人のベッドが並ぶ大部屋のお見舞いだったから、そのフロアの通路には酸素ボンベや配膳のワゴン、シーツの入れ替えワゴンなど等が雑多にあり、看護師さんがせわしく行きかっている光景しか遭遇していない。ところがこの緩和ケア病床のあるフロアは、何も置かれていないスカッとした通路に、個室の扉が並んでいる。

完治を目指す治療ではなく、末期の患者をいかに安楽に過ごせるか、をコンセプトにしているのがすぐに理解できた。

最初に見学した病院は、無料個室7室、有料個室6室、特別室1室とパンフレットに書かれている。たまたま有料個室に空きがあったので室内の見学ができた。ベッドの周りにゆったりとした空間があり、付き添い人も寝泊りできる。洋式トイレにシャワー室まである。インターネットもLAN端子があるのでパソコンの持ち込みも出来る。また共同の設備として家族やお見舞いの人との談話室やキッチンもあり、病院食以外でも好きなものを調理して食べることもできる。ウッドデッキもあって屋外の空気を吸うことも出来る。一時帰宅も自由だという。無料部屋でこんなところに入院できたら快適な日々が過ごせると思った。

次に見学した病院でも、緩和ケア病床のあるフロアは同じ感想だった。満室のため室内の見学はできなかったが、扉の開いている部屋の外を通過しながら前日に見学した病院の部屋とほぼ同じという印象だった。また、キッチンつきの広い談話室ではボランティアによる喫茶や音楽などのイベントも催されるという。

快適な入院生活が送れると思える緩和ケア病床だが、簡単には入院できない。手順がある。

まず面談がある。これは主治医に申し出れば、院内にある地域医療福祉連携室の方が、必要な診察データなどを送ったり面談の日を設定してくださるようで、自分で手続きに動き回る必要はないようだ。面談して登録が済む。しかしこれで入院可能なわけではない。入院は登録順ではなく、空き室が出た時点で登録者を審査し、入院の優先度が高い人からの順になる。早い話、激痛がひどい人や末期に近い人が優先されるわけで、パソコンしたりキッチンを利用して快適に過ごせるレベルではまず無理だろう。二日目に見学した病院は、14床すべてが無料の個室のためか、現在100名ほどの登録者があるとのこと。そして面談の日も3月の予定はいっぱいで、4月のスケジュールが組まれないと日は決められないという状態。

高齢化が進むにつれて緩和ケア医療を必要とする患者は増え続けるだろうから、病院も病床を増やしたり新設したりしていくと思う。しかし追いつかないだろう。有料個室で料金の高い個室ほど入院できる確率は高いだろうが。